ガラス瓶は装飾品や劣化しにくい容器として古くから重宝されてきました。しかし、ガラス瓶には実用的であることや加工しやすいだけでなく、デザイン性の高さも魅力の一つです。瓶そのものの形状だけでなくいくつかのポイントがあるのです。
そこで今回はガラス瓶に関するデザインのポイントについてご紹介します。
瓶の形状
ガラスは熱を加えることによって容易に変形させられるのが魅力でもありますので、その形状は多種多様です。たとえばジャムなどを入れるために用いられている握りこぶし大のサイズから、ビール瓶のような形状、香水用の小瓶など、数えだしたらきりがありません。すべて同じガラス瓶ではありますが、形状が異なるというだけで与える印象は大幅に変わるというのが面白いポイントではないでしょうか。
調味料や飲料などの場合、内容量を決めなければなりませんので、その結果自ずと似たようなデザインになってしまいがちです。しかし、そうした部分は除外してデザインだけに特化した場合、その可能性は無限大といっても過言ではないでしょう。
ただし、いくらデザインが自由であるからといって、瓶としての機能性は最低限考えておかなければなりません。たとえばビール瓶のように細長い形状で、下半身が細く上半身が太いというデザインの場合見た目のインパクトや面白さはあるものの、それではバランスが悪いのですぐに倒れてしまうでしょう。
ガラス瓶は衝撃を与えると割れてしまいますので、その原因となりうる不安定さは避けなければなりません。また、中身を入れたときにどうかという点も見逃してはなりません。あくまでも容器として成立する中でのデザイン性を楽しむといいでしょう。
ラベル
ガラス瓶が製品として用いられている場合には基本的にラベルが貼られています。製品であれば当然製品名をはじめ、製造会社や成分など記載する必要があるため、ラベルは欠かすことができません。
しかし個人でガラス瓶を容器として使用する場合には、ラベルはなくても問題ないでしょう。デザイン的にはラベルがないことでかえってガラス瓶の透明感が際立つ効果にも期待できます。しかし、ラベルがあることでよりデザイン性が高まるのは間違いないでしょう。
シンプルであることが目的であればラベルがないほうがスッキリします。しかし、デザイン性を求める場合にはラベルありきで考えるべきかもしれません。ラベルに記載する文字のフォントや色、配色などのバランスを考えること自体が楽しいでしょうし、その結果決まったデザインはガラス瓶を唯一無二のものにしてくれます。
その他にもラベル自体の材質にもこだわることが可能です。通常のテカリのあるシールタイプだけでなく、和紙のような質感重視のものや、箔押しのものなど種類は豊富ですので、同じデザインでもまた違った表情となるでしょう。
色
ガラス瓶といえば透明であることが魅力の一つですので、多くの場合透明のままでしょう。しかし、着色することも可能です。日本酒などですと緑色の瓶が目立ちますが、青や黒などもあります。ワインであればそれに加えて黒みがかった色まであります。
透明であることは、加工の手間を最小限に抑えられるだけでなく、中に入れる液体などの色味をそのまま表現できることがメリットです。たとえば醤油を入れれば黒くなりますし、日本酒であればほぼ透明など、中身そのものがデザインの一部になるというわけです。それだけでなく、中身がどの程度残っているのかという部分もわかりやすくなるでしょう。
しかし一方で、瓶に対して着色することには意味があります。それはデザイン性だけではなくて、中身を劣化させる可能性のある紫外線などの影響を防ぐ効果に期待ができるということです。ワインなどは酸化してしまうことでもはや存在自体があやふやになってしまいかねません。その酸化の原因となるのが紫外線なのです。瓶の色は紫外線の吸収率の違いを表しているといっても過言ではありません。
透明が最も紫外線吸収率が高く、黒に近づくにつれて吸収率が下がっていきます。裏を返せば瓶の色が黒いほど、中身が紫外線による影響を受けることで、劣化などの変化が起きてしまうものになるでしょう。そうした効果のことも考慮しつつ、色を楽しんでみてください。
キャップ・栓
ガラス瓶は用途によっては栓やキャップが必要となるでしょう。たとえば花瓶やキャンドルのようにそのままむき出しであることに意味があれば不要となりますが、調味料や液体を入れる場合には蓋やキャップがなければ中身の劣化を招いてしまうのです。
栓やキャップにはいくつかの種類があります。たとえばワインなどでよく用いられているコルクをはじめ、スパークリングワインなど炭酸を含むものでよく用いられているスクリューキャップ、香水瓶などでよく見かけるガラス製の栓などが挙げられます。
いずれの場合もデザインより機能性を重視していますので、それぞれ使い分けられていることには意味があるのです。とくにワインなど熟成させることで味に変化や深みが増すものであれば、どの栓を使うかによって品質そのものに大きな影響を与えることになってしまうというわけです。
中身が酸化の影響を受けにくいものであれば、デザインだけで選んでしまっても問題はないでしょう。縛りが少なければその分だけデザインの選択肢は広がりますので、見た目重視で選んでしまっても問題はありません。普段見かけないような組み合わせをチョイスしてみるのも面白いのではないでしょうか。
まとめ
デザインにこだわることによって、ガラス瓶の見た目や実用性には多くの可能性があることがわかっていただけたでしょうか。同じガラス製であるにもかかわらず、他にはないオリジナルの瓶を作り上げることが可能です。
晃和硝子株式会社では既成の形状だけでなく、オーダーメイドでのガラス瓶制作も行っております。デザインにこだわったガラス瓶をお求めでしたら、まずはお気軽にお問い合わせください。